WinK Cine Clubおすすめ映画『愛の誕生』フィリップ・ガレル監督 が良かったです!!!
白黒映画なんですけど、もう光と音とで描いたこのうえなく美しいデッサンという感じ。
音のほうはジョン・ケールがピアノだけの音楽つけてて素晴らしいし、登場人物らのしゃべる声がまた素晴らしい。
光のほうは・・・もう影の深さ、例えばジャン=ピエール・レオの着るコートの黒さとか髪の黒さ、対照的に光のそれぞれの表情、夜の街の光とか、ベッドのシーツとか、赤ん坊の生まれる病院の明るさの光、そして金髪の上を走る光、人物らの顔に刻まれる光と影などがほんとほんとに素晴らしい。ラウル・クタール(ゴダールなどヌーヴェル・ヴァーグのカメラマンとして有名だけど)畢生の仕事だな。物語はもう、食後の皿洗いとかスリッパをはかずに口答えする息子とか赤ちゃんの夜泣きとかにいらついて奥さんいじめるとんでもない中年男が外国女の愛人つくったり、あげくに「あなたのファンです〜」と近づいてきた若い女の子とも寝てしまったり、その中年男の友人は売れない左翼作家でめしどきにさえ鬱陶しい左翼負け惜しみ話をするもんで恋人にも逃げられて・・・なんてーもーどーしよーもない日常のみみっちーーーい話なんですけどね。こんなにどーしよーもない話が、あんなに美しい映画になってしまうってもう奇跡です。
jaja(1997年9月13日)