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あ、春


『あ、春』相米慎二と、『ニンゲン合格』黒沢清は、両方とも「家族の映画」でありながら、全く対照的な二本でした。これはもう、ぜひとも両方ごらんになるべきだと思います。

前者は、死んでたはずの父親がいきなり帰ってくることによって家族が家族を問われる話。
後者は死につつあったはず(ま死んでいたでもいいけど)の主人公がいきなり生き返ることによって、ばらばらだった家族がふたたび召喚されそしてまた散り散りに去っていく話。

対照的といえば運命をつかさどる者として、前者には3人の母親(キルケもしくは運命の女神、マクベスの魔女でもええけど)が登場し、後者には3人の父親が登場するというところも、また。
さらに、両監督とも長回しの使い手として有名なのですけど、そのときのキャメラの動きかたも対照的であることに気づいてほしいと思います。

個人的にはもちろん『ニンゲン合格』のほうが好きです。非常に潔い。
『あ、春』の終盤に用意されたちょっとした驚きのエピソード(ネタバレしません)は、ほろりとさせるもしくはほほえましくおもわせる、部分なのだけど、わたし的には「ゲゲッ!」と吐き気を催させるたぐいでしたね。

中島丈博(わたしやっぱりこのひと嫌〜い)の脚本によるところも多いのですが『あ、春』のほうがかなり泥臭い(この下品な脚本をよくもまぁすっきり仕上げたもんだと逆に相米の演出力に感心するぐらい)のに対して、『ニンゲン合格』はすごくスマートでかっこいい。

なのになぜか、このスマートでかっこいい方の映画館はガラガラなのですね。
まったく! かっこいいものが好きなはずの若者たちがなんで『ニンゲン合格』につめかけないのか・・・と不思議に思います。梅田東映パラス2のほうは今週末で打ち切り。道頓堀松竹角座も10日までだそうですので、お見逃しなく。

『あ、春』は3人のキルケを演じた藤村志保(このひとの声いい!)、富士純子(このひとはもう全身が佳い)、三林京子(女優として出てくるのはむっちゃ久しぶりじゃないだろうか。肥ったねえ)が圧巻。一世代下の斉藤由紀も加え、日本映画をある程度見続けてきた人たちにはたまらない映画じゃないでしょか。あ、そうそう。主人公は佐藤浩市ですよん。
jaja(1999年1月28日)


> 『あ、春』の終盤に用意されたちょっとした驚きのエピソード(ネタバレしません)
> は、ほろりとさせるもしくはほほえましくおもわせる、部分なのだけど、わたし的に
> は「ゲゲッ!」と吐き気を催させるたぐいでしたね。

ちょっとわかる気がします。

佐藤浩市は、わりと好きなのですが、この映画を見てもとくにいいなあ、と思うとこ
ろはなかったですね。

印象的だったのは、先週みた「ビッグ・リボウスキ」で仲間が死んだとき、火葬にして灰を海に蒔いてたし。「あ、春」でも、灰を川に蒔いてた。
そしたら、今日、きのう録画してた、「マジソン郡の橋」でもそんなこと言ってた。
なんかわたしもそうしてもらおうかな、なんて思ってしまいました。

それと、どちらもぶらぶらして酒ばっかり飲んでるって人が出てくるけど、なぜか憎めない人です。
T 尚子(1999年2月7日)


『あ、春』は私はまだなんですが、「テアトル梅田」だったら
ジェラール・フィリップ様の方に足が向きそうです。
先日、ひこ・田中さんらと会ってしゃべっていたら、
「そっちは、50、60歳のおばさんが多かったよ」と言われて、ちょっと後込み。
マギレもないこの世代のくせにいい男にそう言われるとかんがえちゃいました。
このひこさんが下記の自分のページで『あ、春』評を書いてます。
ご存じのように相米監督の「お引越し」は彼の原作です。

 http://www.ne.jp/asahi/a/1/go/gotaku/9902/99021.htm#03

覗いてみてください。彼の日記は私の愛読ページでもあります。
彼は作家・松本侑子さんの「大阪のお兄ちゃん」となってます。
私の最近の本のコーナーや日記でもそんなご縁に触れてます。
K 明美(1999年2月7日)


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