映画についてあれこれおしゃべり今日は朝から晩まで映画的に凄い日でした。というか昼間はうちに帰ってたので朝と晩が凄かった。
朝モーニングショーで見たのが、マキノ雅弘の『仇討崇禅寺馬場』です。場面場面やアクションに確かにお得意の絵づら、独特の闊達さが見えて、まぎれもなくマキノじるしのマキノにしか撮れない映画でありながら、白黒スコープの横長画面にみなぎって捌け口のないこの陰鬱さはいったいなんなんでしょう?
これってギリシャ悲劇です、アンティゴネーです、イスメネです。あるいは映画そのものが死に瀕する前夜だったのかもしれない。
これは、確かにあの時代のトラウマです。
そして「逆縁」の映画です。
でもって晩にレイトショーで見たのは、「悪縁」の映画です。
これは、われらの時代のトラウマです。
石井輝男の新作『地獄』。これ、まだ誰も書いてなかったよねぇ?もうきっと見たら書かずにはいられないと思うのだが…。
このわたしが嘔き気を抑えるのに苦労しました。で嘔き気とともに笑ってた。すごい映画です。
これ絶対テレビで放映できません。映画館でやるのもやばいかもしれないので、みなさん早めに見に行くことをおすすめします。大阪だとシネマアルゴでやってます。
要は、幼女連続誘拐殺人とか地下鉄サリン事件なんてネタは、もう賢ぶったマスコミだの知識人だの思想・哲学だのが何言ったってしょーがない。「地獄」というこのうえなく単純な装置をつかって、石井輝男に映画で語らせるよりしかたがないって映画です。
こんなもん石井以外の誰に映画化できるでしょう?
また、これ以外のどんなやりかたで?
これって、マツダランプもといアフラマツダです。ゾロアスターです。まぁ美しいとしか言いようのないセット撮影も、挿入されるたびごとに非常に奇妙な輝きをみせるロケ撮影も、またラスト近くにいきなり登場する自作への言及も、あらゆるシークエンスにどこかツァラトゥストラの哄笑を思わせるような光が輝くのです。もちろん石井じるしの女の子の裸サービス満載です。
あぁ、でもまた中川信夫の『地獄』も見たくなってきたな…。
なんかもう、ふらふらになってしまったのですが、その後さらにホクテン座へ寄って今日かぎりだった『go』を見てきました。途中から入ったのでユマ・サーマンに似てる子が出てるなと思って、あぁそうだ『スゥート・ヒヤ・アフター』の子かな、と思うとそうでした。プロット勝負で端々に「普通の才気」のみえるきっとまだ若い監督さんの「普通の映画」で、普通の映画であることにホッとした。
jaja(1999年11月27日)