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ヴァンドーム広場


 ヴァンドーム広場、見てきました。カトリーヌ・ドヌーヴの映画で、なにやらフィルム・ノワールっぽいのかな、くらいの知識しかなくて見たのですが。うーん、ドヌーヴはきれいな思い出のままでいてほしかったなぁ、と思います。
 くわしいことは全然、知らないのですけれど、あれはやっぱり、ドヌーヴで一本、撮るか、という映画なんでしょうね(映画を見せるんじゃなくて、ドヌーヴを見せる)。
 だけど、ドヌーヴっていえば、一にも二にも美貌ですよね? その美貌がかたちとしてはもちこたえていても(整形などしているのかな)、やっぱり、新鮮さとか艶やかさを失って、棚ざらしの商品みたいに見えてしまう。それが、辛かったです。

 アル中女性から、一転、夫の死にまつわる謎(それが、自分自身の過去につながるわけですが)を追求して動きだす女という役どころはおもしろい、とご当人は思われたのかもしれないけれど、こっちはもう、初手のおばあさんっぽいドヌーヴでショックを受けてしまって、あとのほうも老いとか痛々しさばかりが目についてしまった(夫に脚をもんで、とふとももからどんとつきだす。そのシーンが、こちらとしては目を覆いたくなるほどでした。勇気がある! でも見たくなかった!)

 ストーリーのほうも、わかったようなわからないような。ミステリータッチというのなら、もう少し、ちゃんとミステリーしてほしいよ! とは、古ミステリーファンの感想ですが。
 女優が老けるなら、性根をすえて、ジャンヌ・モローみたいにいくほうがいいな、と思いました。どれほどの美貌でも、しがみつくには限りがあるって言ったら、失礼が過ぎるでしょうか。
 そうだなぁ、老いたドヌーヴだったら、そのとおり、老いた元美人のしっとりとした恋の映画くらいにしてほしかった!

「あのひとはいま」的な関心でなら、見てもいいかも、という映画でしょうか。
 そうそう、ゆきずりの男っぽいのと一夜をともにしたあと、列車のなかで若い男たちとカード遊びをしていて、その男に、一度寝たからって偉そうにするな、と怒鳴るシーン、あそこは、主人公の女性の気持ちがなんだかすごくわかる気がした。あの路線でいってほしかったなぁ。

Y 利子(1999年9月20日)

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