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變臉(へんめん)


 『變臉(へんめん)―この櫂に手をそえて』という映画を ビデオで見たのですが、大層良かったので、紹介させていただきます。

 變臉(へんめん)というのは、顔に布(紙?)の面をつけ、一瞬の間に その面が次々と変わっていく芸のことです。

 その素晴らしい技術を持つ老人が、当世一の人気と美貌を誇る女形の役者から、その芸を 教えてほしいと頼まれても やんわりと断わり、わが孫に伝えたいと 男の子を買いに行く場面から物語は始まります。

 子売り子買いの場である 暗い建物の中では、「私を買ってください」と足にすがりつく少女もいれば、この子を買ってくれと言う親、赤ん坊を「安くするから」と売る女もいます。

 女の子はみんな要らないようで、女の子ばかり余っています。帰ろうとした矢先 「おじいちゃん」と澄んだ声で叫ぶ男の子に 惹きつけられるように その子供を買ったのでした。

 住みかである舟に連れて行き、それは大事にその子供を育てて行きますが、実はその子は女の子で、何度も売られたあげく男の子の振りをして買ってもらったのでした。8歳です。

 女には 自分の芸を教えられない、と怒り悲しむ老人に、女の子は召使としておいてほしいと涙ながらに 訴えます。
 日々が流れ、髪の毛も少しずつ伸び 少女らしくなり、見事な芸 (逆立ちをしてつま先を頭につける、中国雑技団のような技) もいろいろも覚え、大道芸で二人は暮らしていきます。

 火事や事件が起こったりの、紆余曲折の末、いい終わり方をします。

 ハリウッド映画を見なれている私には、展開が次々といい方向に裏切られて、気持ちのいい映画でした。
 女の子は きりっとしたいい顔立ちで 『がんばっていきまっしょい』の田中麗奈のようです。

 主人公の老人は 朱旭(チュウ・シュイ)という役者さんで、以前図書館で借りてきた 『心の香り』という、孫(男の子)が 夏休みに会いに来る 一人暮らしのもと京劇の役者 という映画にも主演していました。

 この映画はシュチュエーションが 『冬冬(トントン)の夏休み』のようですが、京劇が絡んできたり、すごくいい関係を持っている女性の存在が大きかったりで、また違った面白さがありました。

 香港映画も台湾映画も面白いですが、中国映画のこういう小品も たいそうステキで いいと思います。

ふぁっちゃいM(1999年7月24日)

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