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タンゴ


祇園祭が終わった途端に雨が降り出しました。
梅雨はまだ明けていなかったんですね。

いま、先日見た「タンゴ」のサウンドトラックCDを聴きながら
このメールを書いてます。タンゴ、好きです。
タンゴ映画製作の舞台裏とそので登場する男女の情念をぎりぎり
品性を保ってストーリーと音楽との融合したミュージカルというんでしょうか?
カルロス・サウラ監督「タンゴ」(スペイン・アルゼンチン合作 1998年)を
観に行きました。ほぼ満席。タンゴ・ファンって多いんですね。
いつもと違う層の熟年女性客多し。
 
タンゴ好きにはたまらん映画だった。
ひとりの映画監督マリオ(ミゲル・アンヘル・ソラ)がタンゴを
主題にした映画を作り始める。ダンサーである妻と別れたばかりの彼は
落ち込んでいる。この元妻のダンサー、ラウロ(セリシア・ナバロ)は
怪しい強烈な個性を放ち魅了される。ヒロインは若く美しい無名の
新人ダンサーのエレーナ(ミア・マエストロ)。
マリオは彼女を育てながらその若さや輝きに惹かれていく。
そんな筋立てはそう意味はない。そういう人間関係が背景にあって
タンゴを主題にした映画の舞台裏(リハーサル風景、スポンサーとの確執など)
が展開していく。

巨大な鏡とカメラがリハーサルの現実から幻想へ、
現在から過去へと往きつ戻りする中でタンゴダンスの魔術が広がる。
軍事政権下の暗黒時代、多く人々がブエノスアイレスに移民したこと
にも思いを馳せるシーンもある。官能的なタンゴを主題にしながらも
タダのミュージカルに終わらないとことがいい。
ダンスのマエストロが実に渋い。
いつもタンゴタンスを観ながら思うのだが、どうしてこれだけマッチョな
ダンスに惹かれるのかと。完璧に男性に体をゆだねることから
始まる男女バトル的なタンゴダンスの魅力を堪能した。 

音楽はピアソラと組みピアニストを務めたこともあるラロ・シフリン。
タンゴの名曲はもちろんシフリンのオリジナルもいいのでCDを
買ってしまった。
「タンゴレッスン」「ヨーヨーマ ソウル・オブ・ザ・タンゴ」にかわって
しばらくこのCDを愛聴することになりそう。

次は、蒸し暑い京都から今日は近ごろ読んだ本のご紹介です。
と、いうのは昨日の朝日新聞読書欄に「Y利子訳」という
翻訳書を見つけたからです。その前にも確か毎日新聞でも
大岡信の息子がいい書評をしていたと記憶してます。
題名は書評家だったら是非読んでみたいと思わせる
「哲学者から探偵になった男」(草思社)でしたね。Yさん〜。
いい仕事をしておられるんだと嬉しくなりましたよ。
面白そうな本ですね。

さて、私が最近読んだのは

シェア・ハイトの『女はなぜ女が嫌いなのか』(石渡利康訳 詳伝社 1700円)
1998年に書かれたもの。この本のタイトルが気にいらない。
本書の趣旨に反したタイトルになってしまっている。
ハイトはむしろ女性同士の友情を評価しているのに残念だ。
ネガティブなタイトルの方が興味をそそるとの判断なのだろう。
原題は「THE LOYALTY TABOO BETWEEN WOMEN」
 
女性対女性の様々な関係を多角的な視点から分析。
『ハイト・リポート』と同じく綿密な調査に基づく生身の声が多く聴けて
説得力ある本に仕上がっている。母と娘はなぜ「セックス」について
話し合わないのか/女の長電話、無駄話は無駄ではない/女性の親友を持ち、
友情を続けるためのヒント/離婚女性は女性のよさを知る/
レズビアンという関係/女性的価値体系が社会を変える・・・など
新・女性の人眼関係学として興味ある内容。

そして、つい先ほど読み終えたのが、松本侑子さんの新刊
『光と祈りのメビウス』(筑摩書房)。
若い女性の心情を素直に綴った私小説風な作品だ。
プロローグに年の離れた弟が突然交通事故で死んでしまうという下りがある。
たまたま一昨夜BSで見た「時の記録・山物語」で都会に出ていた若者が
宮崎県椎葉村(数年前に椎葉を越えて若山牧水の故郷・東郷町に講演に
いったので興味深かったのだが)に遺体となって戻り椎葉の土に
帰されていく埋葬シーンと重なりいきなり涙目になる。
作家への転身直後のパリでの憧れの単身生活、そして帰国後パリで
熱愛したアメリカ人の彼と暮らすことになるのだが・・・。

作家自身の投影とも思われる「私」に心地よく引き込まれていく。
東京を離れて関西の北摂に住み環境問題や有機農法に興味を持ち
ライフスタイルも変わっていく様子は作家自身の体験と重なって
いるようだ。阪神大震災体験やドラマチックに展開するストーリー性の
ある小説に何度か涙する。
女が孕み子を産むこと、輪廻転生など生命の連鎖・・・・
フェミニズムとエコロジーの融合した新境地といえる新刊でした。

主人公の私が理論偏重フェミニスト(学者&運動家フェミニズム)ではなく、
真摯に正直に個を生きようする1人の若き(30代半ば)女性であることが
WCCのめんばーの現在とダブり、抱きしめてあげたい!という
衝動と愛おしさが溢れて来ました。

K 明美(1999年7月19日)

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