趙先生
昨日はシネ・ヌーヴォで『8月のクリスマス』を見てきて、「死」とその「死」を写し込む写真というものと、その一瞬に固定された完璧な恋愛の勝利と、それもそれなりにおもしろかったのだけど、そのあと続けてレイトショーで見た『趙先生』が、なんも予備知識無しに行っただけに「えっ!?」って感じでむちゃくちゃおもしろかったです。
聞けば、ロカルノ映画祭でグランプリ取った作品で、話題の(ヌーヴォでは『趙先生』の次にやはりレイトショーでかかる)『沈む街』の監督なんかとおなじく中国第6世代の旗手といわれる監督なんですってね。
石田純一に似た(笑)主人公が、妻に浮気がばれ、妻と愛人(この愛人役の女優が魅力的だったなぁ)に二枚舌つかっていろいろイイワケし、その言い訳もばれて・・・なんていうどうしようもない物語なんですけど、なんかもぉ最初っから最後まで一瞬たりともゆるまないこの緊張感はなんなんだ!? 全体の構成も、画面構成も無駄がなくセンスがあるし、息詰まる長回しのなかにひょいと飛ぶカットがあって音は続いている、みたいな編集もうまいし、独特の映画文体をもっている。
『ママと娼婦』のジャン・ユスターシュあたりも思い出させたし、『恐怖分子』のエドワード・ヤンも彷彿とさせるけれど、確実に時代が映り込んでいるしね。
こういうええかげんな男のこういう末路もほかの映画(『ムッシュ・リポワ』です。敢えて邦題は避けておこう)で見たことあるけど、そのなかに第三の女が入り込んでくる、その入れ込みかたもうまい。
jaja(1999年7月15日)
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