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どこまでも行こう


『月光の囁き』が良かった塩田明彦監督はその前作にあたる(のかな?)『どこまでも行こう』という作品もすごーく良かったです。一見「児童映画」なんですけど、これもまたオトナの女性にこそ見て欲しいです。

10歳の男の子の「男の子としての自分」の発見なわけですけど、そのためには「男子ってバカだよね」ってことを発見してくれる女の子が必要なわけだし、その発見は必然的に、しかしオトナたちにはそれを告げ口せずベランダの向こうから見守ってくれる女の子を発見することに帰着する。(これって『月光の囁き』にも描かれた異性「愛」のもっとも基本的な姿であろうとおもう。オトナたちがいろんなバカなこと重ねて発見していくその発見の基本型は既に高校生の頃どころか小学生の頃にあったのだってーこと)

1枚の1万円札の発見があると、それは必然的に2つに破られなければならない。唐突に発見された友達とは、必然的に唐突な別れがなければならない。結託があれば裏切りがなければならない…。すべて、その「はじまり」と「決着」は決まってるんですね。その端っこが問題ではなく、そのあいだを埋めるものが重要である。

それは冒頭のイタズラのシーンからして、この映画がその「あいだ」の時間の映画であることを教えてくれるわけです。すなわち、ヤクルトおねえさんがおいてった自転車があれば、それは必然的に(笑)襲撃されなければならない。その「あいだ」の時間…。

その「あいだ」にあるものが、少年としての時間であり、それぞれにとってかけがえのない時間であるわけ。そしてそれは、もっとも短くて最も長い一日のようなもの…The Longest Day(この映画をつうじてその音楽がながれている『史上最大の作戦』の原題)であるわけ。

その時間・・・というか「生きる」猶予(生きるってことは必然的になにかとなにかのあいだをとりあえずつないでおく猶予の時間なのであるという)が、なんともまた美しく楽しくわくわくするような遊びと発明で充たされていること。たぶん映画の「時間」そのものが、そうした「あいだ」であるのだろうと。

ただまぁ、個人的好みとしては、あんまりそういう構成がうまくいきすぎていて、ムダがなさすぎるというか、タメがなさすぎるというか、うますぎるというか…。単に、すごく優秀な映画学生の習作にみえてしまう。それがちょっと不満なところではあるのですけどね。

jaja(2000年2月13日)

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